サン・クラウディオ年縞プロジェクト
シマシマの地層から マヤ文明衰退の謎に迫る!
1年に1枚刻まれる縞模様の地層(年縞)から、古代マヤの人々が経験した気候変動や極端気象の歴史をひも解きます。
San Claudio Varves Project / Leader
マヤ文明は、いかに生まれ、そして衰退していったのだろう?
マヤ文明最大の謎を解くカギを探すべく、私たちの冒険は始まりました。
冒険の舞台は日本から遠く離れた国、メキシコ。
毒ヘビの湿原を横切り、時にワニの気配におびえながら、
ついに見つけた宝物、年縞(ねんこう)。
その宝物は、マヤの遺跡にある深い湖の底に眠っていました。
年縞とは、1年に1枚ずつ積もる薄い地層のことです。
この特別なシマシマには、古代マヤ人が「ある年」の「ある季節」に経験した
「大雨」や「干ばつ」、そして彼らの暮らしぶりまで記録されているのです。
3年にわたる冒険の末、ついに私たちは、
マヤ文明の時代をほぼすべてカバーする年縞を手に入れました。
この特別なシマシマの中に、マヤのどんな秘密が隠されているのでしょう?
私たちの新たな挑戦が始まります。
立命館大学 古気候学研究センター
副センター長 北場 育子
- NEWS -
速報―マヤの年縞をめぐる冒険
2023/1/4 ~ 7/3
福井県年縞博物館にてミニ展示を開催中!
2022年6月におこなったサン・クラウディオ湖の掘削調査。その模様を写真展でお楽しみください。
2021年に期間限定で公開したマヤの年縞の実物をご覧いただけるチャンスです。
みなさまのご来場をお待ちしております!
VARVES in MAYA マヤの年縞をめぐる冒険2021
終了しました
ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
展示はバーチャルリアリティの世界で引き続きお楽しみいただけます。
写真の下の[冒険する!]ボタンをクリック!
- What was the Mayan civilization? -
マヤ文明とは
マヤ文明は、メキシコのユカタン半島を中心に栄えた古代文明です。
洗練された文字システムを持ち、暦や算術、天文学などを高度に発達させました。
ほかの古代文明と違って大きな河川に依存することもなく、乾燥地から湿ったジャングルまで、
さまざまな環境に適応することができました。
控えめに言って「すごい」文明だったのです。
しかし! 卓越した技術を持ち、どんな環境にも負けない「すごい」文明だったはずなのに、
マヤ文明は深刻な衰退を何度も経験しました。
いったい何がこの偉大な文明を衰退に追い込んだのでしょう?
マヤの謎を解くカギ・年縞
そのヒントは、深い湖の底に隠れています。
静かな湖の底で、1年に1枚、時を刻む特別な地層=年縞。
1枚の地層が1年に相当するため、この地層を1枚ずつ数え上げていけば、
1年ずつ時間をさかのぼることができるのです。
さらに、マヤ地域では、雨の季節に黒い縞が、乾いた季節に白い縞が積もります。
つまりこのシマシマは、この地域に降った雨の量を記録した「天然の雨量計」なのです。
年縞の中を細かく分析してやれば、古代のマヤ人がある年に経験した
「干ばつ」や「大雨」の記録を取り出すことができるのです!
- Our Goals -
サン・クラウディオ年縞調査チーム
メキシコのサン・クラウディオ湖で、ついに見つけた年縞。
私たちが目指すゴールは2つあります。
1.マヤ地域に特化した、地質学の「精密な時計」を作ること
2.古代マヤ人が経験した気候(気象)変動のすべてを明らかにすること
その記録をマヤの正確な暦に裏打ちされた「歴史」と比べることで、文明衰退の謎に迫ります!
マヤの年縞をめぐるビンボー冒険記
狙いは「3000年分の泥」マヤ文明衰退の謎に迫る大冒険!
毒ヘビの湿原を越え、ワニのすみかを横切り、
資金難に苦しみながら中米の湖を掘りまくった6年間の冒険記。
- MAP -
年縞の眠る湖「サン・クラウディオ湖」
通常の表示だと見えませんが・・・
航空写真に切り替えると真ん丸の湖が見えます!(しかも湖の真ん中に、2020年調査の時のいかだが浮かんでいます)
マヤ文明の遺跡の中にある湖です。
この地に古代都市を築き、湖の周りで暮らしたマヤ人たちは、
どんな景色を見ていたのでしょう?
そのヒントは年縞の中に隠されています!